ホーネットの冷却水交換 & 不足して水温異常になった

メンテナンス、カスタム

ODO: 36,300kmぐらい。

ホーネットの冷却水は、2017年の購入以降交換していません。2020年ぐらいにショップに法定点検に出しましたが、冷却水を交換したという話は聞いていません。(交換したかもしれませんが)

冷却水はLLC(ロングライフクーラント)とも呼ばれ、腐りも凍りもしない素敵な高毒性液体ですが、2-3年ごとに交換すべきものです。
冷却経路をサビさせると嫌なので今回交換します。

交換!!

ホーネットの冷却水交換はややメンドいです。

抜き方

まず抜き方。

  1. 燃料タンクに繋がる3本のホース(ドレン、負圧、燃料)と燃料系ケーブルを外す
  2. 燃料タンクを下ろす
  3. 冷却水ドレンボルトを外す(ちょろちょろと液が出る)
  4. フィラーからラジエーターキャップを外す(ドレンからどばどばと液が出る。かなり遠くまで飛ぶので注意)

(リザーバータンク内の交換)

冷却水のリザーバータンクの中も交換したければ、フィラーからリザーバータンクへ伸びるチューブのリザーバータンク側を引っこ抜いて液を排出し掃除します。
ネイキッドによくありますが、このチューブが長め!空気が入らないようにしたほうが良さそうです。フィラー側のほうが位置が高いため、そちら側が冷却水で満たされていれば勝手に抜けるとは思いますが。

入れ方

次に入れ方。

  1. 冷却水ドレンボルトを締める
  2. ラジエーターキャップのハマっていたフィラーから、新しい冷却水を満杯まで注入する
  3. エア抜きをする(冷却経路に残る空気を追い出す。減った都度、満杯まで補充する)
    • 冷却水の経路のゴムホースを揉む
    • エンジンを掛け、サーモスタットが作動し、冷却水の経路がラジエーターを通るようにする
  4. フィラーにラジエーターキャップをはめる

以上!

水温異常!!

症状:ゆっくり走ると水温異常

普通に山道を走ったらなんともなかったためこれでOKとしましたが、高速道路走行後に渋滞につかまったときに水温計が点滅!
水温計はサーモスタットケースの、サーモスタットの下側についています。ここが高温になりすぎたということになります。


症状としては速く走ると消えて、ゆっくり走ると点滅しだし、ときどき消灯したりします…。

原因の推測

ゆっくり走ると水温異常になる症状は、まずラジエーターファンが回っていること確認します。
水温上昇後もファンが止まっている場合、サーモスタットが故障で閉じっぱなしになりラジエーターがバイパスされているか、ラジエーターにあるファン用温度センサーが故障しているか、ファン自体が故障しているかでどれもあり得そうです。
しかしファンを触ってみると手袋が巻き込まれたので元気に回っていました。

となると、(走行風では冷却が間に合うが)ラジエーターファンだけでは冷却が間に合わず、水温が高くなり過ぎている???

残る可能性は2つ。
1つは単純に冷却水の量が足りておらず、冷却が十分にできていないこと。
もう1つは、冷却水の経路にエアが混ざっており、ちゃんと加圧できておらず、冷却水が低い温度(100℃近く)で沸騰してしまい、冷却が十分にできていないこと。
まぁどっちも「冷却水が足らん」でまとめられますね笑 どちらも冷却水の経路を液で満たせば解決なので。

一般的に冷却水の経路は、ラジエーターキャップにより大気圧より高圧になるまで密閉されています。これにより、100℃より高い温度まで沸騰させず液体状態を保つことで、冷却性能を維持させます。気体になってしまうと冷却性能が落ちるためです。一定より高圧になると、ラジエーターキャップの主圧弁が開き、気体と液体をリザーバータンクに逃します。冷えて低圧になると、負圧弁が開きリザーバータンクから通常の冷却経路に逆戻りします。

ホーネットの場合は大気圧 + 1.1kgf/cm2 までは開かないキャップを使うため、121℃までは冷却水は沸騰せず液体でいられます。
密閉された経路に気体がある程度入っていると、液体が十分に加圧されないのかな〜と思います。気体の体積は少ない力で変わりやすいから。実験してないからわかりませんが。

液補充で直った!エア抜き不足?

エンジンが冷えてから、タンクを下ろし、ラジエーターキャップを外しフィラーの中を覗いてみます。ぜんぜん液面が見えない!
本来であれば、こんな感じで並々と入っていて欲しいところ。

リザーバータンクを見ると、液面は減ってません!

私は勘違いしていたのですが、ラジエーターキャップで密閉された経路内で冷却水がもとから(ラジエーターキャップによる密閉前から)不足していると、勝手にリザーバータンクから補充されるわけではありません。
ブレーキフルードのリザーバータンクは、ブレーキの油圧の経路内がつねに満杯になるように、重力により絶え間なく液を補充してくれますが、冷却水のリザーバタンクはそういう役目はありません。
リザーバータンクから液が補充されるのは、重力ではなく負圧によってのみです。

以下のように、リザーバーのほうが下についているので、重力で勝手に補充されたりはしません。

前から後ろ方向に見た図
側面から見た図

なので、冷却水を入れた時に中でエアが噛んでいた分は、ラジエーターキャップを閉めて走ってるうちに勝手にリザーバータンクから補充されたりはしないのです。
もしそのエアがうまいこと、ラジエーターキャップの主圧弁が開放された時にリザーバータンクの方に抜けてくれば良いですが、リザーバータンクへの経路的には、上(フィラー近く)→下(リザーバー)なので(かなりエアが多ければ一部は抜けるでしょうが)難しそうです。

そういうわけで、ラジエーターキャップの下はしっかりエア抜きして、満水の状態にしておかないといけなかったのでした。

私はそれが不足しており、100ml以下だったと思いますが冷却水が足らずそのぶん空気が入っていたので、冷却不良になったというオチです。

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