Nikkor-H Auto 28mm F3.5を分解してグリスを塗りなおす

カメラ
ヤフオクで3,000円で買ったNikkor-H Auto 28mm F3.5。ヘリコイドがスッカスカです。
広角レンズだとピントリングが軽い方が使いやすいのですが、耐久性が気になるので分解してグリスを塗りなおすことにしました。
ネットを探してもこの年式?の、ヘリコイドにアクセスする分解記事が見つから無いので書いてみます。



マウント側の分解

まず簡単なマウント側から行きます。
マウント部にある大きな5つのネジを外します。そうするとマウント部分が引っ張るだけで取れます。

つぎに、絞りリング側面に、リングと絞り機構を繋いでいるネジが1本だけありますので外します。そうすると絞りリングが簡単に外れます。

この出っ張りとリング側の凹凸でクリック感を出しているので、左回転と右回転でクリック感が違います。ヘタッているのか、あまり好きでは無い感触です。


この凹凸を掃除し、(組み立て時には)リングに薄くグリスを塗っておきましょう。あまり端まで塗ると、シールも何もないのでゴミや砂を呼びやすくなるのでほどほどに。

前玉側からの分解

このNikkor-H Auto 28mm F3.5はやや面倒な分解方法です。(他のレンズだと、銘板を外すともうレンズブロックがスポンと外せるものもあるのに…)

まずピントリングの側面にある3本のネジを外し、ピントリングをスポンと抜き鏡筒から外します。


次に、この銀色の内ヘリコイドの側面にある、ピントリングの可動範囲を決める位置決め板を2本のネジを外します。(板を取り外すにはレンズブロックを外さないとひっかかって外れないかも。)
この板を外しヘリコイドを回すと、無限遠を出し直さなくてはならないので覚悟してください
(こんなことしなくてもレンズブロックが抜けるレンズが羨ましい)

ヘリコイドが自由に回転できるようになりました。少し繰り出して、余裕を持たせてから、銀色の内側ヘリコイド側面にある3本のレンズブロック固定ネジを外します。
これでレンズブロックがスポンと抜けるはずです。


邪魔なレンズブロックがなくなったので、中ヘリコイド(ピントリングと一緒に回るやつ)についている金色の位置決め板を外します。

次に、被写界深度目盛りのカラフルな線が書いてある銀色のリングを外します。側面にある3つのネジを外すと、スポンと抜けます。


その下に直進キーがあります。直進キーのサイドを固定する2本のネジを外して、直進キーを外します。
ヘリコイドをいい感じに回して位置を調整し、直進キーがスライドする長方形の穴の左右にある2つの穴からネジが見えるようにするとやりやすいです。


2つのヘリコイドが自由に動かせるようになりました。グリグリ回すと全部外れます。


組み付ける時は適当に重すぎないグリスをぬりましょう。ベタベタと硬いグリスを塗ると重くて仕方なくなります。

無限遠の出し方 + 組み直し方

さぁ大変です、何も考えず組み立てると無限遠が出なくなります。

バラす前にケガキ線をつけておき合わせればOKというものでもないようなので、無限遠を合わせます。

こんな感じに、内ヘリコイド(銀色)と中ヘリコイド(ピントリングと一緒に回る)を組みます。
中ヘリコイドを一番縮めたとき(外ヘリコイドと中ヘリコイドのナナメのケガキ線が揃ったときです。もしかしたら、余裕を見て垂直のケガキ線が揃ったときだったかも?)に、内ヘリコイドも限界まで縮まるように組んでください。
かなり縮めないと無限遠に合わないためです。

(下の写真はすでに直進キー取り付けたあとです)


そうなる状態で直進キーを、向きに気をつけて取り付けます。(向きは外した時の写真みてください)
マウント部を取り付けます。
中ヘリコイドに位置決め板をつけます。
ピントリングを中ヘリコイドに取り付けます。

ちょうどこんな状態にします。ここにレンズブロックをスポンと入れます。固定はまだしなくていいです。
カメラに取り付けて、無限遠にピントを合わせてください。通常は1回転もしないうちに無限遠にピントが合うと思います。
無限遠が出た位置で、(内ヘリコイドにレンズブロックを取り付けてから)内ヘリコイドに金色の位置決め板を取り付けます。

内ヘリコイドに位置決め板をつけるより先にレンズブロックを取り付けるのは、レンズブロックの取り付けネジの穴が位置決め板によって1つ隠れてしまうためです。

あとは被写界深目盛りの色付き線のついたの銀色のリングをつけたり、なんだりすれば完成です!

レンズブロックの分解(失敗)

カニ目レンチで回して一番前のレンズを外します。でかい。

レンズブロックの側面に前玉側の分解用ネジっぽいのがあります。

この芋ネジを外した後、レンズオープナーで開けようとします…がビクともしないので諦めました。失敗です。

後玉は…こちらに参考になる記事があります。ニッコールオートH 28mm f3.5レンズ分解&Ai改造

最後に

ほぼ初めてのレンズの分解だったので、めちゃくちゃ疲れました。すぐ終わると思って床で分解し始めたのも一因です。
最近買ったNikkor-S Auto 55mm F1.2のほうはわりとすぐレンズブロックはずしてヘリコイドにアクセスできたので、労力を見誤ってしまいました。

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