Trek Domane SL5 2020の Nautical Navy カラーを中古で買いました。

状態としては目立つ傷無く、キズつきやすいクランク等のパーツや、ディスクブレーキ/パッドの様子からして、大して走っていないモノでした。これが約15万円。
2020年当時は実売35万円だったので、それなりに安く入手できたことになります。
買った経緯
当初はE-Bikeを探していた
私は移動に不満を持っていました。日本は狭い道が多いのにクルマはどんどんデカくなり、混合交通は夢のまた夢、クルマ/バイク/自転車/歩行者はオリジナル道交法で好き勝手に道路を利用し、人心は荒廃しています。そして電車/バスは人でギチギチ。塩入れて加熱したらそのままスパム缶が作れそうなほど。
そんな中を自転車で楽に速く移動するために、E-Bikeが欲しくなりました。体力消費が抑えられる分、他の道路利用者や道路行政にイラつくことも減るだろうと考えました。
ですが、前記事までのようにいろいろ試乗した結果、日本の法律に合わせると高価なE-Bikeは実力を発揮しきれず宝の持ち腐れであると結論づけました。(あくまで私の使い方では。)
低回転から高トルク発生というモーターの特性を活かしやすいMTBやカーゴバイクなんかは、E-Bikeが良いかもしれません。クローズドコースなら、法規制無視のフルパワー E-MTBも使えますしね。乗ったことはないですが。
ということで、公道の単純な移動用途でE-Bikeが欲しいという気持ちは消滅しました。
安楽なロードバイク/グラベルバイクが欲しくなった
E-Bikeの代わりの移動/簡単な荷物運搬は、人力BROMPTONで頑張ることにしました。
そして、ライドの楽しさを求めて、安楽なロードバイクかグラベルバイクが欲しくなりました。
現在、2011年式のFELT Z5 に乗っていますが、これは安楽とは程遠いです。楽しいは楽しいのですが、すぐ苦痛が上回ってしまい長続きしません。タイヤが25cゆえ、路面の状態を常に意識しながら乗る必要があり、尻の痛みの対策として、意識してダンシングを定期的に行う、段差では尻を浮かすなどの対抗策を積極的にとらないとすぐ痛くなります。またブレーキは5700 105のデュアルキャリパーだから、BROMPTONのよりはよほど強力ですが高いスピードレンジを考えると物足りないです。要は、まだロードバイクが今よりだいぶスパルタンだった時代のもので、乗っているとそれなりに疲れます。
よって、衝撃吸収性が高く、ブレーキ性能が高い、そして荷物がそれなりに乗りそうな、安楽な(=楽しさを苦痛が上回りにくい)ロードバイクかグラベルバイクを探し始めました。
グラベルバイクは見た目がかっこいいですし、簡単なオフロード走行も楽しそうでワクワクします。ダボ穴が多くバイクパッキングに対応しやすいモデルも多いです。KONAのROVE STあたりが見た目・内容共に良さげでした。しかし走行場所に困りそうなことに気づきました。都内から自走でグラベルに行くには覚悟と時間が必要なことと、あと「そこ走っていいんかな?」的なグレーな感じの走行場所も多く、他の利用者との文化的衝突がないか心配なこともあり、候補から外しました。まぁグラベルバイクだからってグラベル走らなくともよいはずですが、MTBで舗装路走る的悲しさがあるかな、と思ったのです。
こういうのは、MTBやオフロードバイクの例を見るに、なんらかのコミュニティに入って走行場所をクローズドに教え合うとか、無理して自走じゃなく輪行/トランポでコースに向かうとかできないと、なかなか運用しにくいのかもしれません。グラベルバイクは、自走能力もあるとは思いますが、都内からだと総行程の8-9割は舗装路になってしまいそうで、買った意義を疑わず走れるか心配になりました。
ただ、たとえ舗装路が多かろうと、ふっといボヨンボヨンタイヤで、荷物満載のバイクパッキングを行うのは、なんか楽しそうです。金と場所があったら買いたいとは思います(といいつつ、金も場所も時間もなくてもいつのまにか買ってしまうのが私ではありますが。)
ロードバイクに目を移すと、乗り心地重視タイプはなかなか受難の時代。乗り心地の良いロードバイクのジャンルとしては、舗装路メインだがグラベル志向も持つ「オールロード」や、ややレース志向だが振動吸収性が良く姿勢も楽なことが多い「エンデュランスロード」が代表格。ですが、近年は、オールロードに関してはグラベル志向を強めてもうほぼグラベルロードになっている感じの車種が多く感じました。また、エンデュランスロードも、そのアイデンティティを失い気味に感じました。タイヤのボリュームアップおよびチューブレスの普及により、タイヤだけで乗り心地がよい自転車が作りやすくなったためか、軽量かつエアロかつ乗り心地もよい最強自転車(Madon Gen8や、TARMACなど)がトレンドとなっている気がします。よって「安楽」を特色の1つとしたロードバイクジャンル自体が衰退しつつあると感じました、少なくとも日本市場では。
ではMadon Gen8などの速く・それなりに乗り心地の良いスペシャルな自転車を入手すればよいかというと違います、私には安さも必要。数十万する自転車ではその辺に停められないし、傷がついたらすごく気になるし、色々と扱いにくいです。
Madon Gen8やTARMACなどのみんなが好きなトレンドど真ん中の自転車は、中古でも非常に高いので買えません。
しかしCannondaleのSynapseとか、TrekのDomaneとか、エンデュランスロードならみんなの注目から少し外れたところにいるから、中古では安いこともあるのです。
そこで運命的な出会いをしたのが今回のDomane SL5 2020。 出品者はグラベル/MTBマニアのようで多数のパーツや車体を出品してました。金あるなぁ。
Domane SL5はグラベル走行用にホイールやタイヤを買えたそうですが、結局グラベル走行していないとのこと。金額を頻繁に微妙に上下させたり、コメントを頻繁に削除したり、高度なメルカリテクニックなのか変な人なのか区別がつきませんでしたが、まぁええやと購入。
受け渡し当日
受け渡しは出品者の居住地の最寄駅で行いましたが、この日はなんと珍しく大雪!
実際にお会いした感じ普通の人で安心しました。Domane SLはピカピカで、思った通り綺麗でした。
受け渡し完了後に気づきましたが、FD台座にヒビがある…。 FDがR7000 105のFDじゃなく、R8000 Ultegraのになっているので気になっていましたが、もしかしてぶつけたりした…?

まぁ、台座やFDを指で動かした限り、中のカーボンではなく塗装が割れているだけに思えるので、忘れて使うことにします。
購入時のカスタム内容
ハンドルがリッチーのそこそこのやつ( RITCHEY WCS SKY LINE)になっていました。今では珍しいアナトミック形状で、ノーマルのハンドルより横幅が狭い感じです。珍しくバックスイープ(クランプ部からフラット部が後退している)があります。グラベル走行するならフレアハンドルのほうが一般的な気がしますので、チョイス理由が気になるところ。

ホイールはDT Swiss PR1600 DB32。リニューアル前のやつですね。内幅が18mmなので、もっと幅の大きなホイールが欲しかったのが正直なところ。最近のトレンドとして、短期間でどんどんリム内幅が拡大されていっています。最新のタイヤを設計通りに機能させるために、トレンドは追いかけたい。とはいっても18mmも数年前なら普通の範囲で、まだ使えるでしょう。私の前車 FELT Z5 2011の時代と比べるとかなり太いですしね。リム周りの規格やトレンドの移り変わりは最近ほんとに早いです。

タイヤはパナレーサーのグラベルキングSSの、32C TLC。SSとはセミスリックの意で、真ん中だけ杉目、サイドは小さなブロック形状などグラベルらしい形状になったモデルです。TLCなのでチューブレス対応モデルなのですが、出品者はクリンチャーで運用していました。32Cは廃盤になったサイズなので、今ではレア。

またカーボンドライジャパンのビッグプーリーキットが入っていました。ノーマルを知らないので回転がよくなっているのかよくわかりませんが、変速性能は悪くないように感じます。

ペダルは片面SPD、片面フラットなPD-EH500。歩行の心配を減らし安楽に使用するため、もともとSPD-SLではなくSPDを使うつもりだったらか本当にちょうどよかった。またあんまり重くないモデルでよかった。

ただしフラットペダル面はあまり大きくなく、フラットペダルとしてはそんなに使いやすくないです。その上、SPD面は止まって外す度にたびまちまちな方向を向いている(※SPD-SLペダル等、重心が偏って作られていて、いつも同じ面を向いてくれるペダルがあります)ので、発進時に クリートでキャッチするのに手間取ることがあります。最近は慣れましたが、両面SPDのほうが手間がなくてよい気がします。
購入後のカスタム内容
チューブレスレディタイヤに交換、乗り心地に感動
別記事で書く、友人のMadone Gen8に乗せてもらって、乗り心地に感動しました。一番大きい原因と思われるのは32C チューブレスレディタイヤ。
私のDomane SL5は前述の通り、購入時はグラベルキングSS 32C TLC + クリンチャー運用でした。少しゴツゴツしたタイヤであるため、完全スリックなパナレーサー アジリストDURO 32C TLRに変更してみました。

1本目の交換に40分、2本目は慣れて20分かかりました。原付のタイヤ交換でビード上がらなすぎて往生しましたが、アジリストの出来が良いのか、自転車用チューブレスタイヤはみなこんなものなのか、特に苦労せず、フロアポンプでビードが上がりました!
乗ってみるとなんとまぁ、極上の乗り心地!4.5気圧では尻が痛くなりました。4から3気圧程度がちょうど良かったです。
そして、これなら確かにメンテの手間やフレームの重さを増加させる乗り心地改善ギミックは、廃れるワケだわ!と思いました。チューブレス 32c、乗り心地良すぎ!
ステム交換してよりアップライトに
デフォルトでも十分アップライトだとは思いますが、ここは安楽さや視界の良さを優先し、よりアップライトにしました。Domane SL Gen3 を買った理由の1つに、ケーブル内装がトップチューブ上面からなので、ステムが自由に交換しやすいというものがありました。さっそく活きてよかったです。(※ ステムが自由に選びにくい車種も多いのです。ステムからケーブル内装されているのが結構あるので…)
元の所有者が着けていたのは 80mm 7°のステムでしたが、90mm 17°にしました。結果として、ブラケットポジションだとやや高すぎる気もしましたが、都内の混雑した道を走る際は、視界の良さも大事なので、まぁ良いかという気分に。あと、FELT Z5ではあまり長時間握ってられなかった下ハン部分が、余裕で使えるようになりました。
乗ってみた感想
ディスクブレーキ良い
ディスクブレーキの強力さに感動しました。制動力が強い上にコントローラブル。加減速がどうしても発生しまくる公道では、ストレス軽減に大いに貢献します。

アップライトな姿勢良い
前に乗っていたFELT Z5もエンデュランスロードで、割とアップライトなポジションを意図したものでしたが、私の体にはフレームがデカすぎたのか、少しポジションが合っていない様に感じました。ステムを変えたり、ハンドル角度やサドルの位置は細かく変えてみましたが、改善せず。
Domane SL5では少し小さめのフレームサイズを選んだので、思った通りのポジションにできました。少しハンドル高すぎてカッコ悪いかもしれません。まぁでも、安楽に長距離乗れるのでとてもよいです。
楽しさを増やすには、楽しさの絶対量を増やす意外に、苦痛による相殺分(マイナス分)を減らすことも有効なのだと感じました。
ISO SPEEDの効果はまぁまぁ
Domane SL gen3は、振動吸収機構のISO SPEEDが前後に仕込まれている最後のモデルです。


これはトレンドに逆らっています。昨今の流行は、太くて低い空気圧のチューブレスタイヤで乗り心地を良くし、フレーム側には乗り心地改善ギミックを仕込まず軽くすることです。Domane SL gen4ではフロントのISO SPEEDが無くなってしまいました。MadoneでもGen7からISO SPEEDがなくなりました。
ISO SPEEDには期待して乗ったのですが… 良い意味(振動吸収性)でも悪い意味(ペダリングのパワーが吸われる)でも、あまり強烈な作用は感じませんでした。 前車のFELT Z5よりは乗り心地が良いのですが、タイヤの太さが違うし、なんとも評価がしにくいです。
確かに路面の凹凸にある程度のスピードで侵入したときは衝撃のカドが取れている気はします。ただ、タイヤを高圧にして、ゆっくり目なスピード(20km/h以下?)で路面の凹凸を通過すると、突き上げはそこまで変わらない気もしました。
リアのISO SPEEDは、しなりを利用しているから、ある程度の強烈な入力に対してしか作用しないのかもしれません。
もともとの開発経緯を考えるに、石畳を30-40km/h程度で駆け抜けたときの少し大きめの高〜中周波数の振動にもっとも効果的なのかなぁと思います。
なお、仕組み的には、フロント(ヘッドベアリング部)のISO SPEEDは、前タイヤ+フロントフォーク+ハンドルと、フレームを切り離す役割をします。 リア( シートチューブとトップチューブの接合部)のISO SPEEDは、シートチューブとフレームを切り離す役割をします。
つまり、フロントISO SPEEDは前タイヤで拾った振動をフレームに伝えない(剛結されているハンドルには伝わってしまうが)役割をします。リアISO SPEEDはフレームからシートチューブ/シートポスト/サドルに振動を伝えない役割をします。ようは、尻へ振動を伝えないことを最終的な目的としたフロント・リアのISO SPEEDなのです。
構造上、たぶんハンドルは何もついていない自転車より振動が来るのではないかと考えます。その点に注意して乗ってみると、ハンドルからは確かに振動を感じるが、尻の突き上げは優しいと感じるました。
グラベルも少しは走れるかも?
アジリストDUROに変更後ですが、グラベルを少し走ってみました。
なかなか普通に走れちゃいました。少しは楽しいですが、チューブレスレディゆえパンクの心配が頭をよぎりそこまで楽しめませんでした。もしサイドカット等で大きな穴を作ると、チューブレスレディでは修理が大変です。シーラントでベトベトになりながらタイヤブートを当てチューブを入れるなどの処置が必要です。怖いので早々に退散しました。


不満
- タイヤクリアランスが38cまでであること。ロードバイクとしては十分すぎるが、グラベルバイクみたいにアホ太いタイヤ履いてみたい
- ISO SPEEDの作動を如実に感じられるわけではないこと(ただ、そんなにギミックでの振動吸収性を良くしたら、ペダリングパワーも吸われて、前に進まない楽しくない自転車になってしまうとは思います。だからロードバイクとしては良いバランスなのでしょう)
- 車体が少し重いこと
総評
あまりお金を費やさず、新しめな設計のロードバイクに乗れて満足です。
ディスクブレーキや、チューブレス×太いタイヤはサイコーです。安心して、快適に乗ることができて、乗る頻度も距離も自然と伸びます。やはり、乗り心地を最優先してエンデュランスロードを買ったことは正解でした。
自転車もバイクも、苦痛の中に快楽を見つけるマゾヒズム系趣味だと思っていましたが、私にはその心意気が足りなかったようです。楽しさの総量は変わらなくとも、苦痛により差し引かれる分を減らすだけで、トータルでこんなに楽しいとは!

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