最近、E-Bikeが欲しくなっています。自転車に酷な日本の道路環境を少しでも楽に駆け抜けるために…。
そこで、ある自転車店で安売りされていたVektron N8を試乗しました。
(注:2025年10月の試乗、2026年4月に溜めた記事公開)

この安売りの理由は、在庫一掃だそうでした。BoschのE-Bike用ドライブユニットが代替わりするため、海外ではそれに合わせてVektronもドライブユニット変更のモデルチェンジがされています。それが日本向けモデルにも来るのでしょう。
新型ドライブユニット(Vektronに使われているドライブユニット Bosch Active Line Plusの新型番)は、普通に乗る分には強く嬉しいアップデートが(自分としては)無いため、この旧型安売りは嬉しいものです。
総評
かっこよく、スペックも申し分ないのですが、乗り味は私の求めているものではありませんでした。
- フレームの固さや、ホイールの小ささから来ると思われる乗り心地の固さがある
- アシストが平地だとまり強く感じない(スポーツ志向が強いのか自然すぎるアシスト味付け)
- ブレーキがコントローラブルではなく唐突に強く効く(ホイール小径なわりにブレーキディスクローターは普通サイズなのでよく効きすぎている?)
私がE-Bikeに求めているのは、「ドンと構え、少々の外乱は気にせず済む乗り心地」、「平地でもアシストを感じられるアシストの味付け(やや不自然でもok)」、「コントローラブルなブレーキ」と、かなり正反対なものでした。
Vektronがお勧めなのは、折りたたみが必須のユースケースで、かつ人力スポーツ自転車とそう変わらない自然な漕ぎ心地の電動アシストが欲しくて、でも大荷物を乗せたり、急坂を登る際にラクをしたい場合だと思います。
ですが、そんなに全部の条件を満たすユーザーは珍しい気がしています…。
値段を考えると、ラクさなら(E-Bikeと呼ばれない)普通の電動アシスト、スポーツ性重視ならE-Bikeでもクロスバイクやロードバイクスタイルのものの方が有用な気がしています…。Vektronは全てのスペックがある程度高い上に、折りたたみまでできてしまう稀有な存在ですが、それゆえに器用貧乏な感じがしました。
やはりE-Bikeでも試乗は必須ですね。
デザイン
TernのVerge系統のデザインです。
折りたたみE-Bikeとしては一級のカッコ良さを持っていると思います。
しかしながら、E-BikeにしたがためにVergeのような美しいバランスを失っているように感じます。Vergeはフロント側がダイナミックで力強く、リア側は繊細かつメカっぽくかつ曲線が美しいデザインですが、Vektronは後ろが見た目上ヘビーな感じです。
キャリアがない状態ならまだ良いですが、キャリア付けるとますますその傾向が顕著になります。
乗り心地
かてぇ!
自転車の乗り心地に影響する要素はフレーム、タイヤ、ホイール、サドル、ハンドル、etc..色々ありすぎて何がいけないのかわかりませんが、ともかく固いです。
ホイールの小ささ由来かとも思いましたが、小径でもBROMPTONだと乗り心地は快適です。おそらくフレームがE-Bikeの大パワーを受け止めるべく固く作ってあるのでしょうか。
前に乗っていたDAHON Visc Evoもこんな感じで乗り心地があまりよくありませんでした。
E-Bikeにはスポーツバイク的スパルタンさを求めていないので、ここで購入意欲が減退しました。
逆に、脚力に自信がありE-Bikeでもガンガン踏みたい人は、こういう自転車が好ましいとは思いました。(が、それならE-Bikeじゃなくて人力自転車の方が楽しいとは思います)
スピード(アシスト)
良く表現すれば、スポーツ自転車を漕ぐのとほぼ変わらない恐ろしく自然なアシストです。停車時にペダルに足を置いても進み出さないですし、漕ぐのをやめると瞬時にアシストがなくなります。
高級なドライブユニットゆえの、人間のペダリングをよくセンシングした緻密なアシストをよく感じられますね!
ですが逆に言えば、これ見よがしなモーターアシストは感じられず、「モーターが働いてくれている」感動はないです。
私はE-Bikeを買う人は2種類いると思っています。1種類目が「スポーツ自転車の乗り味をあまり変えない、自然なアシストをしてほしい人」、2種類目が「ハイパワーなモーターでわざとらしくても良いからガンガンアシストしてほしい人」です。私は後者で、Vektronは思いっきり前者です。ここが私に合いませんでした。
最も強いアシストレベルのTurboモードで楽に24km/h、頑張ると30km/h出ますが、アシスト切れた後は荷物満載のBROMPTONみたいな加速で楽しくないです。
ECOモードだと楽に漕いで21km/h程度。
坂はあまり試せていません。
日本は電アシの法律が厳しくて、アシスト上限速度が24km/hと低く、かつ10km/hから24km/hはアシスト比率を比例的に0に近づけなければならない、と細かく定められてしまっています。海外では上限速度が少し高かったり、アシスト比率の規制が緩く、日本よりハイパワーなアシストが得られるところが多いようです。
E-Bikeは、日本に輸入されるときに法律適合のためだいぶ去勢されてしまい、元々の設計の真価をほとんど発揮できていないように感じます。(=もっと安い電アシで事足りる)
やはりE-Bikeは、E-MTBでオフロード爆走するような用途が日本では一番輝くと思います。オフロードコースなら低速で走ることも多くアシストが発揮できますし、私有地のオフロードコースなら日本の公道用の法律に沿わない海外基準のフルパワー車も使えますしね。
発進加速
ペダルに足を置いてもアシストが開始されるようなことはなく、少し踏み込んでもモーターは動きません。このこともあり非常に自然な漕ぎ心地で、人力スポーツ自転車のようです。
全く怖さがない一方、ゼロからは人力で進み出す必要が少しだけあります。私はゼロからの加速でもガツンとアシスト効いた方が嬉しい方です。
登坂
あまり試せていません。が、多分普通にパワフルだと思います。
ブレーキ
油圧ディスクブレーキで、ガッといきなり強く効きます。Vブレーキみたいな感じ。
タイヤ径は小さいものの、ブレーキディスクローター径は普通に見えるので、それでよく効きすぎになるのでしょうか。
油圧ではありますが、これならブレーキタッチの観点ではワイヤー引きでもいいかも…と感じました。同じ構成でワイヤー引きにしたら、もっと酷くなるかもしれませんが。
省スペース性
折りたたみなので当然良いです。BB下に小さい2脚が生えていて、安定して置きやすいです。
ただしリア側が重たいし、総重量20kg程度なので、軽々と運べるわけではありません。ただタイヤで転がすことはできるので、車体全体を袋に包まなくてはならない電車輪行ではなく、マンションの中の移動とかならなんとかこなせるかなと思いました。
積載力
試乗では未評価です。
ヘッドチューブにボルト穴があり、Tern純正のキャリアシステムを付けられます。サードパーティ製の、BROMPTONキャリアブロック互換品も搭載可能なはずなので、荷物は乗せやすいです。
リアもメーカー純正の2万円前後のキャリアが付きます。汎用品もイケそうではありますが、おそらくバッテリーが取り外しにくくなります。
以上!


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